何時間でもひたすら話し続けることができて、価値観も似通っていて、お互いの見た目も気に入ってる……そんな2人が付き合うのに、時間がかかるわけがなかった。

 最初は普通の恋人同士だったが、お互いに“もっと一緒にいたい!”という気持ちが抑えきれなくなり、早々に同棲することになった。

 そのまま結婚しても良いと本気で思ったが、さすがに時期尚早すぎるだろと自重。
 ……が。
 奔放な理夏は、ごく自然な流れで結婚に関する話を振ってきた。

「ねえ、結婚したら家事の分担どーする? 私、掃除好きだから掃除大臣やる!」

「オッケー。そんじゃ、僕は料理大臣だな。理夏に任せたりなんかしたら、腹がいつまで持つのやら……」

「ちょっと順平! それは失礼発言じゃない? 私のミスなんて砂糖と塩を間違えちゃったり、フライパン使ったら確実に焦がしまくったり、お皿に乗らないほど大量に作り過ぎちゃったりするぐらいなもんで……って、やばっ! お腹持ちそうにない! 順平正解!」

 なんて、いちいち笑わせられたり。

「子供の名前どーする? キラっちゃう? それとも無難系? あっ、やっぱ私たちの子なら、花の名前を入れたいよね!!」
 
「パパ、ママ、じゃなくてずっと下の名前で呼び合いたいな~」
 
「順平と喋ってる時が1番幸せなんだから、おじいさんおばあさんになっても喋りまくるから覚悟しといてよね!」

 などと、無邪気に話しかけてくる理夏。
 人によっては、それを重く感じてしまったりする場合もあるのだろうが、僕は結婚するなら理夏以外考えられないって思っていたので、そんな会話を普通にニヤニヤしながら楽しんでいた。