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放課後になると雨は止んで空は薄い雲が覆っていた。
家にたどり着くまではどうにか雨は降らなさそうだ。
私は右手にビニール傘を持って心と並んで歩いていた。
「あ~あ、秋くんはあんなにカッコイイのに変人だなんてなぁ」
心はさっきから転校生のことばかりを口にしてため息をこぼしている。
「秋くんって、下の名前で呼ぶようになったの?」
いつの間に平塚くんと話をしたのだろうと思って驚いていると「私が勝手にそう呼んでるだけ」と、言われてしまった。
そうだと思った。
心はあれから1度も平塚くんの席へ行っていない。
負けず嫌いな女子たちが休憩時間のたびに平塚くんに話しかけていたからだ。
心はとうとうその輪の中に入ることができなかった。
「っていうか、変人って」
思わず聞き逃してしまいそうになったが、一応ツッコミを入れておく。
「でも、もうみんなそう言ってるよ? 全然話しをしてくれないからって」
教室に入った瞬間はあれだけ黄色い悲鳴を上げていたのに、もう変人扱いかぁ。
放課後になると雨は止んで空は薄い雲が覆っていた。
家にたどり着くまではどうにか雨は降らなさそうだ。
私は右手にビニール傘を持って心と並んで歩いていた。
「あ~あ、秋くんはあんなにカッコイイのに変人だなんてなぁ」
心はさっきから転校生のことばかりを口にしてため息をこぼしている。
「秋くんって、下の名前で呼ぶようになったの?」
いつの間に平塚くんと話をしたのだろうと思って驚いていると「私が勝手にそう呼んでるだけ」と、言われてしまった。
そうだと思った。
心はあれから1度も平塚くんの席へ行っていない。
負けず嫌いな女子たちが休憩時間のたびに平塚くんに話しかけていたからだ。
心はとうとうその輪の中に入ることができなかった。
「っていうか、変人って」
思わず聞き逃してしまいそうになったが、一応ツッコミを入れておく。
「でも、もうみんなそう言ってるよ? 全然話しをしてくれないからって」
教室に入った瞬間はあれだけ黄色い悲鳴を上げていたのに、もう変人扱いかぁ。