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いくらカッコよくても、あれはないよね。


そう思っていたのは私だけだったようで、休憩時間になると同時にクラスの女子の半分が平塚くんの席へと駆け寄っていった。


あれだけキッパリとこのクラスを拒絶していたのに、それでも仲良くなりたいと思われるなんてずるいな。


そんな嫉妬心すら抱くくらいの人気だ。


「くっそー！　みんなに先越された！」


悔しそうに下唇を噛み締めたのは心だった。


心はまだインフルエンザで休んでいる生徒の椅子を勝手に拝借している。


「心も混ざってきたらいいじゃん」


「無理だよ！　だってあれだけの人数がいるんだよ！？」


後方へ視線を向けて見ると、平塚くんの姿は女子に囲まれて少しも見えない。


今から話しかけに言っても輪の中に入ることはできなさそうだ。


「あんなに冷たい人なのに、付き合いたいの？」


呆れて聞くと心は「う～ん」と、首をかしげた。