だけどだんだん眠くなってきた。


まぶたが重たくて開けていられない。


「秋……私、少し寝るね」


「……あぁ」


秋の声が震えた。


どうしたのかと聞きたかったけれど、もう眠くて仕方がない。


秋が私の手をキツクキツク握りしめる。


まるで、ほんの少しの心も読みこぼさないとでも言うように。


秋、ありがとう。


私幸せだったよ。


秋に出会えて、本当によかった。


「俺もだよ」


意識がなくなる瞬間、秋がそう呟いた。


END