それから10ヶ月が経過していた。


季節は春。


私は数回学校へ行くことができたが、ほとんどの時間を病院のベッドで過ごしていた。


もうクラスメートたちも私の余命のことは知っていて、毎週日曜日になるとみんなが御見舞に来てくれた。


一番の親友である心は、ついさっきまで病室にいてくれた。


「桜、キレイだなぁ」


みんな帰った後でもたった1人残っている秋が呟く。


私の病室の窓からは病院の庭に咲き誇る桜の木々がよく見える。


去年の今頃余命宣告を受けた私は、当時そのことに気がつくこともできなかった。


空を見上げて天気が悪いことに心が沈んでいってしまいそうだったことを、よく覚えている。


でも今は違う。