私は人の心を読むことなんてできない。
できないのに、平塚くんが本心からそう言ってくれているのがわかった。
手から流れ込んでくる彼の体温はとてもあたたかくて、私の体全体を包み込んでいるように感じられた。
「余命が1年しかないから近づいたんじゃない。それだけは違う」
キッパリと言い切る。
その真っ直ぐな瞳にこちらのほうがたじろいでしまった。
「……わかった」
「大滝さんは日常を大切にしてた。だけど同時に人生は1度しかないとも強く思っていた。自分の信じる道を生きていきたいって。その2つの気持ちが流れ込んできたんだ」
それは私の中の矛盾した自分。
いつもどおりの日常を送りたいと願ったのは、少しでも長く生きていたいから。
自分の気持に素直に生きていきたいと願ったのは、自分の余命を知っていたから。
「俺は大滝さんがどんな人なのか知りたかった。仲良くなって力になりたかった。それに……」
そこまで言って平塚くんの頬が赤く染まった。
なにか大切なことを言おうとしていることがわかって、こちらまで緊張してしまう。
「それに、俺は大滝さんのこと……」
緊張のせいか、心臓がドクンッとはねた。
できないのに、平塚くんが本心からそう言ってくれているのがわかった。
手から流れ込んでくる彼の体温はとてもあたたかくて、私の体全体を包み込んでいるように感じられた。
「余命が1年しかないから近づいたんじゃない。それだけは違う」
キッパリと言い切る。
その真っ直ぐな瞳にこちらのほうがたじろいでしまった。
「……わかった」
「大滝さんは日常を大切にしてた。だけど同時に人生は1度しかないとも強く思っていた。自分の信じる道を生きていきたいって。その2つの気持ちが流れ込んできたんだ」
それは私の中の矛盾した自分。
いつもどおりの日常を送りたいと願ったのは、少しでも長く生きていたいから。
自分の気持に素直に生きていきたいと願ったのは、自分の余命を知っていたから。
「俺は大滝さんがどんな人なのか知りたかった。仲良くなって力になりたかった。それに……」
そこまで言って平塚くんの頬が赤く染まった。
なにか大切なことを言おうとしていることがわかって、こちらまで緊張してしまう。
「それに、俺は大滝さんのこと……」
緊張のせいか、心臓がドクンッとはねた。