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待合室で待っている時間はまるで地獄のようだった。


母親は担当医からどんな話を聞かされているんだろう。


いい話ではないことは確実だ。


病気が発覚したときだって、先生は私より先に両親を呼んで説明した。


私は自分のことなのに説明を聞くのはいつも2番手だった。


それからしばらくしてようやく母親が戻ってきた。


その顔は青白く、目は少し充血しているようだ。


必死で隠しているけれど、さっきまで泣いていたことがわかった。


一体なにを言われたのか。


聞かなくてもこの時すでに察していた。


会計を済ませて外に出ると空は今にも雨が降り出しそうだった。


今日は気温は高くなるをとニュース番組で伝えていたけれど、天候はあまりよくないみたいだ。


空を見上げてぼーっとしていると、会計を済ませた母親が自動ドアから出てきた。


その表情はとても深刻で、蒼白だ。


そんな母親を見て胸の奥がチクリと傷んだ。