「わかりました」


今回はもっと悪い報告を受ける覚悟をしてきていたので、私は笑顔で頷いた。


「それと……」


先生の視線がチラリと母親へ向かった。


2人間に私にはわからないほどの緊張が走るのがわかった。


「お母さんにお話があります。イトちゃんは待合室で待っててね」


隣の母親がサッと青ざめるのがわかった。


私の病気のことなのに、どうして直接私に話そうとしてくれないのか。


そう思ったが、なにも言わなかった。


ここで文句を言って更に母親を混乱させるようなことはできない。


「じゃあ、待合室にいるからね」


私はできるだけ明るい声で母親へ向けてそういったのだった。