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次に目が冷めた時、私は病院のベッドの上にいた。


何度かお世話になったことのある場所だから、天井を見ただけですぐにわかった。


体を起こそうとしたけれど頭が痛くて持ち上げることができなかった。


私、どうしたんだっけ?


そう思った時、ベッドの隣にいた人物が「大丈夫か?」と声をかけてきた。


最近ようやく聞き慣れてきた声に驚いて目を見開く。


「どうして平塚くんがここにいるの!?」


ベッドの隣の丸椅子に座っているのは平塚くんだったのだ。


まだ制服姿のままだ。


「倒れて緊急搬送されたって聞いたから、来たんだ。さっきまでご両親がいたけど、今は先生の話を聞きに行ってる」


「来たって……」


平塚くんは体育の授業を受けていたはずだ。


それを抜け出して駆けつけたということ?


頭を打っているせいか、全然理解が追いつかない。


「俺が来たいと思ったんだ。だから早退してきた」


そんな風に言われると胸の奥がカッと熱くなってくる。