「あ、もしかしてスマホなかった? ごめん」


慌てて謝る平塚くんに私は「ううん、持ってる」と、スカートから白色のスマホを取り出した。


最近は友達と連絡と取り合うことが減ってきて、ほとんど使わなくなってしまったスマホ。


心からは毎日のようにどうでもいいようなメッセージが送られてきていたけれど、今日はそれも来ていない。


「なにかあったら、連絡して」


番号交換をした後にそう言われて私は首をかしげる。


なにかあったらって、なんのことだろう?


友達ならなにもなくても連絡し合えばいいのに。


「うん、わかった」


少しモヤモヤとした気分のまま、頷いた。


なんだか平塚くんの言葉使いは少しおかしいな。


昨日だって、友達になれたかもしれないなんて言い方をしていたし。


そう思ったが、わざわざ指摘することもないだろうと考えて、私はお弁当の残りを食べ始めたのだった。