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毎週金曜日はかかせない行事がある。


楽しいことではないけれど、ほんの少しの期待を抱いてそこへ向かう。


「うん。調子はいいみたいだね」


白衣を着ている先生にそう言われて私はホッと息を吐き出した。


隣に座っている母親と目を見交わせて微かにほほえみ合う。


ここは市内で一番大きな総合病院で、ここに毎週金曜日に通うのが私の日課だ。


学校から病院までは少し離れているから、放課後になると母親が迎えに来てくれる。


近くのバス停からバスに乗って通院するから大丈夫だと言ったのだけれど、私を確実に病院に送り届けるため、そして自分も一緒に先生の話を聞くために却下されてしまった。


確かに、今日みたいに心に誘われて少しだけと思ってついていくと、つい通院のことを忘れてしまうかもしれない。


その点は母親にまかせてよかったと思っている。


「今まで通り、体育の授業は休んで、できるだけ運動は避けるように。それから学校で宿泊があるときには事前に相談しに来てください」


最後の方には先生は私にではなく母親へ向けて説明していた。