「二人で行くの?」

「はい」

「大丈夫?」

「どう言う意味ですか」

「みゆちゃんが錑と二人で出かけることが、嫌じゃなければいいんだけど……」

その時私は楽しみにしている自分がいることに気づいた。
手が震えた時も、錑とのキスが嫌ではなく、キスしたかったんだと、自分の気持ちに気づいてしまった。

「大丈夫です」

そして私は錑と出かけた。

「海綺麗だな、東京じゃあ、絶対見れない景色だよな」

「そうですね」

錑は私の方に振り向くと、私の手を引き寄せた。

「みゆ、俺はお前を諦められない、みゆの気持ちは北山にあるのは知ってる」

「えっ?」

「俺が東京に連れて帰ろうと手を差し伸べた時、北山の後ろに隠れたみゆを見て、すげえショックだった。
一旦は諦めようとしたんだが、駄目だった。
俺の人生にみゆがいないなんてありえねえから」

私は錑が好き、北山先生は尊敬してるし、いつも助けてくれて感謝はしているけど、恋愛対象ではない。