「きゃっ!」

「おはよう、みゆ」

「おはようございます」

錑だった、私を振り向かせ唇を重ねようとした。
私は顔を背けてしまった。

「みゆ」

「仕事中なので……」

「何があった、ちゃんと話してくれ」

「何もありません」

「じゃあ、俺はなんで避けられているんだ」

その時、総務部の後輩二階堂くんが入ってきた。

「社長、おはようございます」

「あれ、みゆ先輩大丈夫なんですか?」

「二階堂くんおはよう、昨日は迷惑かけてしまってごめんなさいね」

「大丈夫です、みゆ先輩のためならなんでもやりますから」

「じゃあ、この書類ホチキスどめしてくれる?」

「わかりました」

「社長、出来たら持って行きます」