「どこへ行くんだ?」

「あっ、びっくりした、起きてたんですか?」

「一睡もしていない」

「えっ?どうして?」

「また、みゆが何処かに行っちゃうんじゃないかと心配で寝られなかった」

「どこも行かないですよ、水が飲みたくて」

「持ってきてやる」

「ありがとうございます」

錑はベッドから起き上がりキッチンへ向かった。
ミネラルウオーターを手に戻って来た。
その一瞬に寝てしまった私の頬に、ミネラルウオーターのペットボトルを押し当てた。

「きゃ、冷たい」

「そんな可愛い声出すと、また抱きたくなる」

「もう無理です」

「無理じゃない」

そう言って私をベッドに押し倒した、そのまま私の上に覆いかぶさったまま、動かなくなった。

「錑?」

錑は睡魔に襲われ爆睡した。
錑の寝顔をしばらく見ていた、このまま時間が止まればいいのに……
寝顔もかっこいい、こんなかっこいい人が私を好きになってくれたなんて嘘みたい。