家に帰ってきてからは、どう接して良いのかわからない気まずさからか、私はしばらく自分の部屋に籠ってしまった。

あれって……絶対そういう意味だよね。

なんて考えると、顔から火が出そうになる。

だからなるべく深く考えないように、無駄にカメラの写真フォルダを弄ったり宿題ノートを広げたりして、ただ時間が過ぎるのを待っていた。

夕方頃にまやくんが曖瑠さんと一緒に釣りに行こうと誘ってくれたけれど、この気まずさを保ったまま曖瑠さんと会うと、余計なことが起きそうな気がしたから、断った。

曖瑠さんはすごく心配しながら、いや、正確にはちょっと茶化しながら「もしかしてまやっちに何かされたのか!」なんて図星をつかれたから、私はこれ以上詮索されないよう、首を全力で振って否定しておいた。

晩御飯は二人が釣った味をアジを囲炉裏で焼いていただいた。

まやくんに捌き方を教えてもらいながら一緒に台所に立っていると、気恥ずかしさよりも、一緒にいることがただ嬉しくて、やっぱり一緒に釣りに行けばよかったなんて、後から後悔した。



「それじゃ、僕は先に休むね。おやすみ」

「おやすみなさい。また明日」



洗い物を済ましてひと段落すると、まやくんは二階に上がる。早朝に出発するという曖瑠さんもまた、夕飯を食べ終わると、すぐに自分の部屋に戻って行ってしまった。

囲炉裏部屋に取り残された私は、お風呂に入ってしまおうと、自分の部屋に着替えを取りに行く、まやくんは部屋で何かをしているのだろう、襖から明かりが漏れていた。

でも、中に誰かがいるような気配は全然感じられない。

そのことが少し気になったけれど、もしかして電気を付けたまま寝てしまったのかな、なんて思い直した。

お風呂場で服を脱いでいるときに、抱きしめられた感触脳裏にしっかり残っていることに気が付いて、再び心臓の鼓動が早くなった。

どれだけ動揺しているんだ、私。

お風呂を上がって再び二階に上がると、既に電気は消えていた。

襖を開けて寝顔を見てみようかななんて邪心が芽生えてしまったけれど、私の中の理性がそれをしっかりと押さえてくれた。

代わりに心の中でおやすみなさいと一言添えて、自分の部屋に入る。

仕切り直しだ。明日もまた一緒に過ごせるし。

でも、夏休みが終わってしまうと離れ離れになってしまう。二人だけの時間が、もう少しだけ続いてほしいなんて思いながら、私は夢の中へと入っていった。