1

冬の朝ほど嫌いなものはない。私を起こそうと何度も鳴り続ける目覚まし時計を無視するのは今日で何度目だろうか。一階にいるお母さんの声が聞こえた。
「凛音ー早く起きなさい。また昨日みたいに遅刻してもいいわけー?」
そんなことを言われたら、嫌でも起きるということしか選択肢はなくなる。
「今起きようと思ってた」
私は一階にある洗面所に向かい、ボサボサの髪の毛を適当にひとつにまとめた。