次の日、いつも通り1人で高校に行くと、自分の席の引き出しの中に見覚えのない一枚の紙が入っていた。
ひっくり返してみると、何か書いてある。
『今日の放課後、屋上に来てください。話したいことがあります』
と。差出人は不明だった。
前々から何度も思っていて当然のことなのだが、僕に友達はいない。
僕には、この手紙の差出人の検討はつかなかった。
知らなかったのだ、僕はこの時。この一枚の手紙で人生が変わることを―。


「……誰もいないじゃん」
特に放課後何があるわけでもなく、暇だったので僕は屋上に行くことにした。
これも、自分の意志で来たわけではなく、ホントにただの気まぐれだった。
かれこれ待ち始めてから十五分が経ち、そろそろ帰ろうかと思っていたところで、勢いよく扉が開いてビクッとする。
「いやー、友達と話し込んじゃってね。すっかり忘れてたよ」
そう呑気に話しながら屋上に来たのは、昨日の彼女だった。