僕の世界に君は色を付ける。

何度も読み返していくうちに、頭の中に美織との昔の思い出が蘇ってきた。
家族との思い出も、大切な人のことも。
「……!!」
僕の昔からの大切な人は君だったんだ、美織。


「僕……記憶が戻ったんです」
一週間後、定期健診で僕は担当医の先生に僕はそう言った。
それから僕はいくつか質問をされた。
「……ね?きっかけさえあれば君の頭の中の霧は晴れる、って言ったでしょ?」
「はい」
「それがなんなのかは分からないけど、君には何かそうさせるきっかけがあったんだ」
「……そうですね」
担当医の言葉を聞いて僕の頭の中に浮かぶのは美織の顔。
「ありがとうございました」
僕はそう言って診察室を出る。