僕の世界に君は色を付ける。

それから、楽しい旅行も終わり、あっと今に、正月、冬休みが終わり、三学期に入った。


最近、星野は体調を崩して休みがちだ。
「京くん、美織からなんか聞いてない?なんか変なのにかかったとか」
「いや……聞いてない」
星野の親友である神野さんも、心臓の病気の末期だということを知らないらしい。
……やっぱり、そろそろなんだろうか?
『私、心臓の病気の末期でね。あと一年でいなくなるんだ』
一学期の始まりに、星野の言ったことが脳裏をフラッシュバッグする。
違う、そんな訳ない、と脳裏をよぎった自分の考えに首を振る。
「京くんなんで首振ってんの?」
「いや、なんでもないよ!」
「……そっか」


二月の中頃になると、バレンタインデーにチョコレートを渡してくれたのを境に、星野は全く高校に来なくなった。
「……大丈夫かな」
頭ではそろそろなんじゃないか、と分かっていても、身体が納得しない。