僕の世界に君は色を付ける。

「そうだなぁ、化粧品!」
そう言うと星野はデパコスのコーナーに、なんの躊躇いもなく入っていった。
「どうしようかなー買っちゃう?」
そう言って興奮している星野が眺めているのは、アイシャドウというらしい、目に塗るもので、値段もそれなりに弾んでいた。
「あー、高いかなー」
結局、買うのをやめたらしく、他のコーナーを見ていた。僕は、最後まで欲しそうな顔をして悩む星野の顔を見て、どうしても買ってあげたくなった。
クリスマスシーズンだし、まあいいだろう、そう思って僕は、星野が他のコーナーを見に行ったのを確認してから店員さんに訊いた。
「高校生くらいって、どういうものが人気なんですか……?」
「そうですね……もしかして、さっきの方のお連れの方ですか?」
「はい」
僕がそう言うと店員さんは、
「そうですねぇ……」
と一緒に考えてくれた。結局、星野がさっき見ていたものを買った。
「ありがとうございました」