僕の世界に君は色を付ける。

「……そっか」
「ほら、早く荷物置いて、遊びに行こうよ!時間は有限なんだから。後悔しないように、思いっきり楽しまないと」
時間は有限。さりげなく星野が言ったその言葉は僕には星野の残りの時間を指しているように聞こえた。そして、その限られた時間の中で、星野は後悔のないように生きようとしているのだと。
「……」
「京くーん、君も荷物と一緒に置いていくよー」
「え、あ、今行く」


「うわぁー、めっちゃ可愛い!」
星名に「どこ行く?」と訊いた結果、「んー、ホテル以外はあんまり決めてなかったんだよねー」と、ノープランだったため、近くにある大型デパートに来ていた。
星名がいつも買っているという洋服のブランドの店舗に来ていて、僕はさっきまで荷物持ちだったが、今はマネキンと化している。
「京くん、次これ!」
星名は僕を試着室に監禁して、メンズコーナーから、無限に服を持ってくる。
「あのさ、いつ終わる……?」