確かに、今距離を置いておいた方が賢いのかもしれない。傷も浅くて済むし。だけど、僕はそれでも、どうしても星野が好きだった。気づいたら、僕には欠かせない存在で。
「…僕は、後悔しない」
「そっか、ならよろしく」
「…こちらこそ」
こうして僕と星野は友達、から恋人になった。


「京くーん、冬休みさぁ、一緒に遊びにいかない？」
「え、どこに」
「そうだなぁ、せっかくだし、少し特別なことしたいかな」
「どこに」
星野は、僕が訊くと、嬉しそうにスマホの画面を見せてきた。
「ここ、一回泊まってみたかったんだー！」
「へぇ」
そう返した後、気付いた。は、泊まり？いや、ちょっと待って、今泊まってみたかったって言った…？
「は、泊まり！？」
「え、うん。そうだよ。いいじゃん、可愛い彼女の頼みじゃん」
「えぇ…まぁそこまで言うなら…」
「やった！」
でも、一つ疑問があった。
「ご両親には…？」
「あ、それなら、女の子と泊まってくるっていうから」