僕の世界に君は色を付ける。

「じゃあ、決定ね」
そう言うと、星野はまた自分の席に戻っていった。


「京くん、最近よくぼーっとしてるね、私と話すとき。何か他の事考えてる?」
またある日、星野と帰っている時にそう言われた。
「……へ?」
「なーんか、最近京くん全然私の話聞いてない。私の事嫌いになっちゃったんだ?」
「いや、別にそんなこと……」
「いや、それならいいよ、無理に話聞かなくて。知らないよ、もう」
そう言うと星野はそっぽを向いてしまった。
「そうじゃなくて、違うんだ!」
一人で歩き出す星名の腕を僕は気が付くと衝動的につかんで、引き留めていた。
『自分の気持ち、伝えないと後悔するよ?』
この前に早見に言われた言葉がよみがえってきた。それに、なんだか今じゃないといけない気がしてきた。
「……何」
少しばかり、怒った星野の声がする。
「僕は、星野が好きだ。だから、ぼーっとしてた。ごめん。その……つ」
「つ?」
「つ……付き合ってください」