僕の世界に君は色を付ける。

「えー、まぁ、素直な気持ち?伝えるわけで」
「例えば?」
僕がそう訊くと早見は「マジか、こいつ…」とボソッと呟きながらも、教えてくれた。
「例えば、えーっと『好きです。僕と付き合ってください』とか?」
「え、付き合う?」
僕の思考にそれはなかった。
「え、付き合わないの!?好きなのに?」
「いや、ホント分かんなくて」
「あーもうなんか、俺星奈に教えるの面倒くさくなってきた。なんか、もう自分でなんとかして、応援だけしてるから」
なんて中途半端な奴だろうか。僕が悪いのかもしれないけど。
「……」
その時、昼休み終了のチャイムがなった。
「じゃ、教室もどるか」
「…うん」
結局、全く答えは出なくて、僕の頭の中には、僕は星野が好きらしい、という事だけが残った。
「京くん、何ぼーっとしてんのよ。ほら、一緒に帰ろうよ」
「え!?あ、うん…」
授業終わり、僕の席の前にまでやってきた星野ににっこりと微笑みかけられ、ドキッとする。