僕の世界に君は色を付ける。

星野の休みが一週間近く続いたある日、僕は放課後、病院へ来ていた。
いつも通り検診に来ていて、帰りに売店で飲み物でも買おうかと一階の売店に行ったとき。
「……あ」
Tシャツに短パンという恰好で、細く白い腕からは、点滴の管の伸びた星野を見つけた。
星野もこっちに気づいたらしく、
「えぇ!?京くん?」
とかなりびっくりしていた。
「どうしてここに?」
お互い、何か飲み物を買った後、イートインスペースの椅子に腰かけて、僕は訊く。
「いやー、なんていうか。ちょっとね」
僕には、星野の言う「ちょっとね」の意味はなんとなく分かる。
「それより、京くんは?」
「僕は、定期健診に」
「へぇ」
「星野、今入院してるってこと?」
「うん。あと少しで退院かな」
「そっか」
僕がそう言うと星野は
「あーあ」
と言った。
「何、急に」
「早く退院して、麻衣とまたバカやりたいなぁって」
「何それ」
「別に、いーじゃん」