僕ならそう思うが、これは本人である星野が決めたことだ。僕に、口出しすることはできない。
「……あと一年だけど、よろしく」
「…こちらこそ」


帰り際まで、少し重たい空気になっていた。
「じゃあ、また月曜日!」
そう言って星野が無邪気に笑うものだから、いくらか空気が和んだ。
だけど、星野の余命が一年という事実は何も変わらない。
だけど、この時の僕にはそう大したことではなかった。


「おはよー!」
「あ、……おはよ」
月曜日、何事もなかったかのように明るく挨拶してくる星野に、なんと返したらいいか分からず、間が開いてしまった。
「ちょっ、君。その態度はなんかあったってばれるから、やめてよ」
「あ、そっか…」
知らない間に態度が変わってしまっていたらしい。
その日は、なんの変わりもない時間割で、強いて言うならば、体育会の練習が始まるくらいだろうか。