死ぬまであと一年、と書いてあるのを。
「これ…どういうこと？」
「それは……ここじゃなくて、外で説明するよ」
そう言うと星野は荷物をまとめて会計に向かった。
各自会計と済ませ、店を出た後、この大型商業施設の広い屋上に行った。
そこで、星野が説明をしようと口を開いた。
「私ね、心臓の病気の末期でね。あと一年でいなくなるんだ」
「……」
「要は、余命一年ってこと」
「……！？」
僕は、驚きのあまり声が出なかった。
「他の人は…」
僕がそう訊くと、星野は首を横に振った。
「ううん。誰にも言ってない。だから、これは私と京くんだけの秘密」
「……分かった」
ホントは、それならきちんとどこかのタイミングで友達にも伝えておくべきだと思った。そうじゃないと、残された人はきっと後悔するから。
昨日まで当たり前に話していたような大切な人が突然いなくなるなんて、きっと耐えられなくなるし、どうしてもっと早く言ってくれなかったのか、とか、思っちゃうし。