星野に促され、僕も頼んだ明太子パスタをフォークで絡めとり、口に入れる。
「うわ、ホントだ……。何これ、めっちゃ美味しい」
この店に入る前に星野が
『ここのパスタはホント絶品だから』
と言っていたのを思い出してこのパスタにしたのだ。
僕は、パスタを食べながらふと幸せそうにパンケーキを頬張る星野を見た。
星野の浮かべる表情は、とても幸せそうで、とても病気には思えなかった。
「あー、美味しかったね!!」
「うん」
星野は、パンケーキを食べ終わると、鞄の中から何かを取り出して、僕に隠すように膝の上で何かをし始めた。
「何やってんの?」
「ううん、何でもない。気にしないで」
そう言った時、星野の手から、隠していたものが床へと落ちた。
「これは…」
星野が拾うより先に僕が拾ってそれを見る。
それは、一冊のノートで、表紙には
『死ぬまでにやりたいこと』
と書いていた。中が開いた状態で落ちたので、中も見てしまった。