案内された席に、二人で向かい合って座る。
「めっちゃ美味しそう!えぇー、何にしようかな」
僕は、初めて来たようなおしゃれな内装にあまり落ち着かず、メニューまで気が回らなかった。
「じゃあ、僕はこれにするから」
「決めるの早っ」
「君が遅いだけだよ」
「えぇー」
結局決めるのに星野は十分もかかって、パンケーキにしたらしい。
「あー、楽しみだなぁ」
「そんなに?」
「うん!そりゃあ、もちろん」
お目当てのパンケーキが運ばれてくれと星野は興奮して、
「えーっ、可愛い!食べるのもったいない!」
などと言いながら何枚も何枚も写真を撮っていた。
「早く食べないと、上に載ってるアイス溶けるよ」
「あ、そうだった。いただきまーす!」
星野は、パンケーキをナイフとフォークで何等分かすると、その一つを口に入れ、
「何これ!?めっちゃ美味しい!!」
と頬を緩ませ、満面の笑みを浮かべた。
「京くんも、せっかく美味しそうなんだから、早く食べなよ」