勝手に承諾したことにされてしまった。
「……別に頼んでないんだけど」
というか、さっきなんて言った？
『明日駅に八時に待ち合わせ、じゃあね！』
「…はぁ！？」
いやいや、いくらなんでも自分勝手すぎるだろ。だけど、有無を言わせず帰ってしまったので、はっきりと断れていない。
「とりあえず、帰るか」
僕は、屋上を後にした。


翌朝。
「……はぁ」
なんだか、気が重かった。クラスで認識されているのかも怪しいレベルの陰キャが、クラスの中心的存在の陽キャと登校とか、考えただけで頭が狂いそうだ。
とりあえず八時ごろ、駅へ行ってみると、
「やっぱり、いた……」
髪の毛を耳にかけながら腕時計に視線を落とす星野を見つけた。
まだ僕には気づいていないらしい。今のうちに……と先に駅から出ようとした時、
不運なことに、星野と目があってしまった。
見なかったことにして、視線を真下に落として歩き出すと、ブレザーの後ろを掴まれた。