「そっかそっか、だよね。そうだと思った」
いくらなんでも、『だよね』は失礼だろ、とか思いながらも頷く。すると、彼女は
「あっ、そうだ！！」
と言って、再び僕に近づいてきた。
「君にばっかり色々やってもらってて申し訳ないから、私も一つ、君にお返しをするよ」
彼女は、そこまで言うといままでの笑みとは違うそれを浮かべ
「君の友達になってあげるよ」
と言ってきた。
「………は？」
「え、だって、君友達いないでしょ？」
「いや、いないけど」
「ほら、ね？」
さらっと失礼な事ばかり言ってくる。僕は、傍から見るとそんなイメージなのか。
「君の名前も分かんないし、いいよ。別に友達になってもらわなくて」
「えぇー！！君、私の名前も知らないの！？」
「うん」
僕がそう当たり前のように返すと自ら自己紹介してきた。
「私の名前は、美織、星野美織！！友達の名前くらい、覚えといてね。じゃ、明日駅で八時に待ち合わせ、じゃあね！」
「……は？」