放課後、担任の先生に用事があって帰るのが遅くなってしまった。
長く続く廊下を歩いていると遠くから声が聞こえた。つられてそっちに近寄っていくと思いもしなかった光景を見てしまった。
『光雪がいじめられている』
という光景だった。意味が分からなかったからとりあえず隠れた。光雪のことをいじめていたのは光雪といつも一緒にいるグループの人達だった。
「なんでいつもお前だけ悪口言わないんだよ」
「しかもさーなんで雪音に話しかけてんの?」
「分かってる?うちらいつも雪音の悪口言ってんじゃん」
「敵なんだよ」
「あんなバカに話しかけてどーすんの?」
次々と聞こえて来る怖い声。その中に私の名前があってゾクゾクした。
「だから、俺は雪音の悪口なんか言いたくないんだよ!」
・・・時が止まった。私にはそう感じた。光雪は私のこと嫌いだって思ってた。
急に心臓がバクバクしてきてまた声が聞こえてきた。
「はぁ?」
「なんなの?」
「だから、悪口とか最低なことしたくないんだよ」
涙まじりの光雪の声が聞こえる。
「なんで悪口言うの?最低なことして何が楽しいの」
「ああ?雪音がキモイから事実言ってるだけだし、お前も嫌いだろ」
「嫌いじゃない!」
光雪が叫ぶと周りの人達は「いい加減にしろよ」と光雪を叩いたり蹴ったりしていた。
「お前らは雪音のこと嫌いかもしれないけど俺は違うんだよ!一緒に悪口言わないと虐めるとか意味わかんねぇ!」
「は?虐められるのが嫌なら一緒に悪口言っときゃいいんだよ!なんで毎日毎日水かけても叩いても蹴っても言うこと聞かねえんだよ」
「聞くわけないだろ!悪口なんて最低なこと俺はしたくないんだよ!お前らとは普通に話したりするのが楽しくて仲良くなったのに悪口言わないと虐めるとかなんだよ!俺は絶対雪音のこと傷つけたくないから悪口は絶対言わない」
私は泣き崩れていた。今1番辛くて泣きたいのは光雪のはずなのに私が泣いていた。
確かに光雪の口から直接悪口を聞いたことは1度もなかった。
光雪のことが大好きだ。
なのにいつも一緒にいるから勝手に勘違いしていたのだ。
私は最低だ。
勝手に勘違いして無視して冷たい態度をとって被害者ぶって。
ほんと最低だ。
光雪が裏でこんなことをされていたなんて知らなかった。
光雪は一緒に居たくないのに無理やりあのグループに連れられていたのだ。
光雪は毎日いじめられていたのだ。
しばらくして私は泣き止んだけど光雪達の声はずっとそのままだった。
私は立ち上がっって光雪の手を掴んだ。
光雪は不思議そうな顔でこちらを見てきた。
光雪の手を引いてとにかく走り続けた。
光雪のことをいじめてた人達の声も聞こえなくなった。すると急に光雪の手が無くなった。びっくりして光雪を見るとその場に座り込んでいた。周りを見渡すと結構遠い公園に来ていた。追いかけてくる人の気配もなかった。
「雪音、ずっと見てたの?」
光雪が涙目でこちらを見てきた。私は首を横に振った。
「通りかかったら声が聞こえて、ほんとごめん」
光雪が今にも泣きそうな顔でこちらを見てくる。
「なんで雪音が謝るの?」
「勝手に誤解してたの。光雪に冷たい態度とってほんとごめん。勝手に勘違いしてごめん。」
2人とも泣いていた。座り込んで泣いていた。
「雪音が傷ついてるの俺はわかってた。なのに自分がいじめられてるからそいつらに着いてってた。ほんとに最低なことしてた。ほんとごめん。守れなくてごめん。自分のこと優先してほんとにごめん。」
光雪が謝る必要なんて絶対にない。自分がいじめられてたら誰だって同じことするはずだ。
「光雪は謝る必要ないよ。ついて行ってるだけだってたんだね。光雪も悪口言ってるって勘違いしてほんとごめん。それと、ありがとう」
「え、、?」
「俺は絶対雪音のこと傷つけたくないから悪口は絶対言わない、って言ってくれたのほんとに嬉しかった。」
光雪は納得したように頷いている。とっておきの泣き笑いで。
「でもあいつらについて行ってたから雪音は傷ついたよな。ごめん。勘違いするのも当たり前だしついて行ってた俺が100パー悪い。」
首を横に振ろうとすると光雪が急に
「連れていきたいとこあるんだ」
と満面の笑みで話しかけてきた。なんで笑っているのか理解が出来ないまま光雪について行った。
少し歩くと公園が見えた。光雪とこうやって公園に来たのはいつぶりだろう。光雪の笑顔を見れたのはいつぶりだろう。そう考えるだけで涙が出てくる。
「この公園遊具沢山あって好きなんだ。だから連れてきた」
この公園を見た瞬間わかった。あの公園だ。心臓の動きが早くなって上手く呼吸できなくて苦しくてその場に座り込んでしまった。急に涙が溢れてきてしまった。
「どうした!?大丈夫か?」
光雪に手を引っ張られて公園のベンチに座った。しばらくして泣き止んだ。
「雪音大丈夫か?」
「うん。昔のこと思い出して」
「その"昔のこと"教えてくれる?」
「うん」
そこから長い話を始めた。
「小さい時ね、この公園で男の子とよく会ってたの。」
光雪は頷いて話を聞いてくれている。
あの子のことは今でも覚えている。優しくて優しくて。「その子のこと好きだった。」
思い切ってそれを言うと光雪は「なんか思い出ないの?」と聞いてきた。
「沢山ある。一緒に雪見たり、公園で遊んだり、あと、、、」
「あと?」
「私が耳の病気だった時、支えてくれた。」
あの子のことで1番覚えているのはその事だ。
手術するほど大きい病気にかかって怖くて公園に行ったらいつもあの子がいて慰めてくれた。私の目の模様が少なくなったのもちょうどその頃だ。毎日が不安で手術とかよりそっちの方が怖くて死にそうで辛かった。でもずっとあの子が慰めてくれたのだ。
「耳の病気、、、」
「うん」
「でさ、ずっとあの子の顔は覚えてたんだけど公園の場所思い出せなくて授業中とか暇な時にあの子とどんなことしてたかとかどうやって公園に行ってたのかずっと考えてた。そしたら今、光雪が連れてきてくれたの」
すると光雪はくすくす笑いながら
「雪音そいつとブランコのって遊んでて落ちてもう片方の耳も手術になったんだよな」
「え。。」なんで光雪が知ってるの?
「そんときお前には言わなかったけど俺も耳怪我して手術になった。だからあの公園行けなくなった。ほんとごめんな。」
その瞬間全てがわかった。あの子は光雪なんだ。
確かにあの子の目にも模様があった。
「あの時から俺、ブランコが怖くって雪音とプリ撮った後にブランコ乗った時あの時以来初めてだった。それで雪音が怖いって言った時すごい焦って雪音に嫌なこと思い出させちゃって申し訳ない気持ちになった」
そんなこと気づかなかった。焦って私のことを抱きしめてくれたのはあの時のことを思い出していたからなんだ。
「雪音といつか絶対に会うって約束したの覚えてる?」
急な質問にびっくりしたけど何とか答えた。
「うん。覚えてる。」
「俺、ずっと探してたけど学校であってほんとびっくりしたよ」光雪が笑いながらこっちを見てきた。
「まさか光雪まで耳怪我してたと思わなかった。辛かったよね。気づかなくて自分だけ心配されてほんとごめん」
「ううん。雪音は病気と怪我だけど俺は怪我だけだから。雪音の方が辛かったに決まってる。席隣だった時とか耳触ってんの見てやっぱり雪音だってわかった」
無意識に触っているなんて思わなかった。でもよく思い出してみたら光雪も耳をよく触っていた。
「俺、雪音と2人で雪見たの覚えてるよ。綺麗だったよな。あの雪は生まれて初めて見る雪だった。」
「私も。あの雪、すごい綺麗でずっと覚えてる。その時の写真、今でもずっと見てる。」
私はずっとその写真を見て辛かった時も耐えてきた。私を支えてくれた大切な写真だ。
「雪音、俺2人で雪見た時からお前のこと好きだった。」
「うん。私も2人で雪見た日から好きだった。」笑みがこぼれる。照れてしまって光雪を見ると目の中の模様がたくさん増えていた。びっくりして見ていると
「雪音、目の模様増えてるよ」と言われた。自分では気づかなかった。
「光雪も模様増えてるよ」
2人で笑いあった。
「雪音は目の模様の数の意味知ってる?」
「うん。この間調べたよ」
「そっか、2人とも心の状態いいみたいだね」
照れながら光雪が見つめてくる。恥ずかしかった。
「そうだね」
「大好き」
「私も大好き」
「雪音、大人になったら結婚してほしい。」
「じゃあ約束ね」
この目の模様が2人を繋いでくれた。
この目の模様は心の状態で変化する。私は沢山数が変化している。
この約束を果たせるまでにどんなことがあるのか。きっと辛いこともあるけど光雪と一緒なら乗り越えられる気がした。光雪と一緒ならなんでも出来る気がした。光雪と一緒なら。
光雪と約束をするのは2回目。約束を果たしてくれた光雪ならきっとまた約束を果たしてくれるだろう。人の心の状態は変わり続ける。
自分が思っているのと相手が思っていることは全く違うことだってある。
目に現れなくても自然とどこかに現れて少なくとも1人、私だったら柚のような友達に気づいて貰える。そんな気がした。
私は柚見たいに人の心の状態に気づける人になりたい。目に何も無くても心の状態に気づける素敵な人間に。
そして夏菜子のように気持ちを人に伝えられる人に、光雪のように約束を果たせる人に。
END
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この物語は自分自身の体験をアレンジして書いたものです。
読んでくれた皆様に考えてみてほしいことがあります。雪音と光雪は何歳だと思って物語を進めたか考えてみてください。
長く続く廊下を歩いていると遠くから声が聞こえた。つられてそっちに近寄っていくと思いもしなかった光景を見てしまった。
『光雪がいじめられている』
という光景だった。意味が分からなかったからとりあえず隠れた。光雪のことをいじめていたのは光雪といつも一緒にいるグループの人達だった。
「なんでいつもお前だけ悪口言わないんだよ」
「しかもさーなんで雪音に話しかけてんの?」
「分かってる?うちらいつも雪音の悪口言ってんじゃん」
「敵なんだよ」
「あんなバカに話しかけてどーすんの?」
次々と聞こえて来る怖い声。その中に私の名前があってゾクゾクした。
「だから、俺は雪音の悪口なんか言いたくないんだよ!」
・・・時が止まった。私にはそう感じた。光雪は私のこと嫌いだって思ってた。
急に心臓がバクバクしてきてまた声が聞こえてきた。
「はぁ?」
「なんなの?」
「だから、悪口とか最低なことしたくないんだよ」
涙まじりの光雪の声が聞こえる。
「なんで悪口言うの?最低なことして何が楽しいの」
「ああ?雪音がキモイから事実言ってるだけだし、お前も嫌いだろ」
「嫌いじゃない!」
光雪が叫ぶと周りの人達は「いい加減にしろよ」と光雪を叩いたり蹴ったりしていた。
「お前らは雪音のこと嫌いかもしれないけど俺は違うんだよ!一緒に悪口言わないと虐めるとか意味わかんねぇ!」
「は?虐められるのが嫌なら一緒に悪口言っときゃいいんだよ!なんで毎日毎日水かけても叩いても蹴っても言うこと聞かねえんだよ」
「聞くわけないだろ!悪口なんて最低なこと俺はしたくないんだよ!お前らとは普通に話したりするのが楽しくて仲良くなったのに悪口言わないと虐めるとかなんだよ!俺は絶対雪音のこと傷つけたくないから悪口は絶対言わない」
私は泣き崩れていた。今1番辛くて泣きたいのは光雪のはずなのに私が泣いていた。
確かに光雪の口から直接悪口を聞いたことは1度もなかった。
光雪のことが大好きだ。
なのにいつも一緒にいるから勝手に勘違いしていたのだ。
私は最低だ。
勝手に勘違いして無視して冷たい態度をとって被害者ぶって。
ほんと最低だ。
光雪が裏でこんなことをされていたなんて知らなかった。
光雪は一緒に居たくないのに無理やりあのグループに連れられていたのだ。
光雪は毎日いじめられていたのだ。
しばらくして私は泣き止んだけど光雪達の声はずっとそのままだった。
私は立ち上がっって光雪の手を掴んだ。
光雪は不思議そうな顔でこちらを見てきた。
光雪の手を引いてとにかく走り続けた。
光雪のことをいじめてた人達の声も聞こえなくなった。すると急に光雪の手が無くなった。びっくりして光雪を見るとその場に座り込んでいた。周りを見渡すと結構遠い公園に来ていた。追いかけてくる人の気配もなかった。
「雪音、ずっと見てたの?」
光雪が涙目でこちらを見てきた。私は首を横に振った。
「通りかかったら声が聞こえて、ほんとごめん」
光雪が今にも泣きそうな顔でこちらを見てくる。
「なんで雪音が謝るの?」
「勝手に誤解してたの。光雪に冷たい態度とってほんとごめん。勝手に勘違いしてごめん。」
2人とも泣いていた。座り込んで泣いていた。
「雪音が傷ついてるの俺はわかってた。なのに自分がいじめられてるからそいつらに着いてってた。ほんとに最低なことしてた。ほんとごめん。守れなくてごめん。自分のこと優先してほんとにごめん。」
光雪が謝る必要なんて絶対にない。自分がいじめられてたら誰だって同じことするはずだ。
「光雪は謝る必要ないよ。ついて行ってるだけだってたんだね。光雪も悪口言ってるって勘違いしてほんとごめん。それと、ありがとう」
「え、、?」
「俺は絶対雪音のこと傷つけたくないから悪口は絶対言わない、って言ってくれたのほんとに嬉しかった。」
光雪は納得したように頷いている。とっておきの泣き笑いで。
「でもあいつらについて行ってたから雪音は傷ついたよな。ごめん。勘違いするのも当たり前だしついて行ってた俺が100パー悪い。」
首を横に振ろうとすると光雪が急に
「連れていきたいとこあるんだ」
と満面の笑みで話しかけてきた。なんで笑っているのか理解が出来ないまま光雪について行った。
少し歩くと公園が見えた。光雪とこうやって公園に来たのはいつぶりだろう。光雪の笑顔を見れたのはいつぶりだろう。そう考えるだけで涙が出てくる。
「この公園遊具沢山あって好きなんだ。だから連れてきた」
この公園を見た瞬間わかった。あの公園だ。心臓の動きが早くなって上手く呼吸できなくて苦しくてその場に座り込んでしまった。急に涙が溢れてきてしまった。
「どうした!?大丈夫か?」
光雪に手を引っ張られて公園のベンチに座った。しばらくして泣き止んだ。
「雪音大丈夫か?」
「うん。昔のこと思い出して」
「その"昔のこと"教えてくれる?」
「うん」
そこから長い話を始めた。
「小さい時ね、この公園で男の子とよく会ってたの。」
光雪は頷いて話を聞いてくれている。
あの子のことは今でも覚えている。優しくて優しくて。「その子のこと好きだった。」
思い切ってそれを言うと光雪は「なんか思い出ないの?」と聞いてきた。
「沢山ある。一緒に雪見たり、公園で遊んだり、あと、、、」
「あと?」
「私が耳の病気だった時、支えてくれた。」
あの子のことで1番覚えているのはその事だ。
手術するほど大きい病気にかかって怖くて公園に行ったらいつもあの子がいて慰めてくれた。私の目の模様が少なくなったのもちょうどその頃だ。毎日が不安で手術とかよりそっちの方が怖くて死にそうで辛かった。でもずっとあの子が慰めてくれたのだ。
「耳の病気、、、」
「うん」
「でさ、ずっとあの子の顔は覚えてたんだけど公園の場所思い出せなくて授業中とか暇な時にあの子とどんなことしてたかとかどうやって公園に行ってたのかずっと考えてた。そしたら今、光雪が連れてきてくれたの」
すると光雪はくすくす笑いながら
「雪音そいつとブランコのって遊んでて落ちてもう片方の耳も手術になったんだよな」
「え。。」なんで光雪が知ってるの?
「そんときお前には言わなかったけど俺も耳怪我して手術になった。だからあの公園行けなくなった。ほんとごめんな。」
その瞬間全てがわかった。あの子は光雪なんだ。
確かにあの子の目にも模様があった。
「あの時から俺、ブランコが怖くって雪音とプリ撮った後にブランコ乗った時あの時以来初めてだった。それで雪音が怖いって言った時すごい焦って雪音に嫌なこと思い出させちゃって申し訳ない気持ちになった」
そんなこと気づかなかった。焦って私のことを抱きしめてくれたのはあの時のことを思い出していたからなんだ。
「雪音といつか絶対に会うって約束したの覚えてる?」
急な質問にびっくりしたけど何とか答えた。
「うん。覚えてる。」
「俺、ずっと探してたけど学校であってほんとびっくりしたよ」光雪が笑いながらこっちを見てきた。
「まさか光雪まで耳怪我してたと思わなかった。辛かったよね。気づかなくて自分だけ心配されてほんとごめん」
「ううん。雪音は病気と怪我だけど俺は怪我だけだから。雪音の方が辛かったに決まってる。席隣だった時とか耳触ってんの見てやっぱり雪音だってわかった」
無意識に触っているなんて思わなかった。でもよく思い出してみたら光雪も耳をよく触っていた。
「俺、雪音と2人で雪見たの覚えてるよ。綺麗だったよな。あの雪は生まれて初めて見る雪だった。」
「私も。あの雪、すごい綺麗でずっと覚えてる。その時の写真、今でもずっと見てる。」
私はずっとその写真を見て辛かった時も耐えてきた。私を支えてくれた大切な写真だ。
「雪音、俺2人で雪見た時からお前のこと好きだった。」
「うん。私も2人で雪見た日から好きだった。」笑みがこぼれる。照れてしまって光雪を見ると目の中の模様がたくさん増えていた。びっくりして見ていると
「雪音、目の模様増えてるよ」と言われた。自分では気づかなかった。
「光雪も模様増えてるよ」
2人で笑いあった。
「雪音は目の模様の数の意味知ってる?」
「うん。この間調べたよ」
「そっか、2人とも心の状態いいみたいだね」
照れながら光雪が見つめてくる。恥ずかしかった。
「そうだね」
「大好き」
「私も大好き」
「雪音、大人になったら結婚してほしい。」
「じゃあ約束ね」
この目の模様が2人を繋いでくれた。
この目の模様は心の状態で変化する。私は沢山数が変化している。
この約束を果たせるまでにどんなことがあるのか。きっと辛いこともあるけど光雪と一緒なら乗り越えられる気がした。光雪と一緒ならなんでも出来る気がした。光雪と一緒なら。
光雪と約束をするのは2回目。約束を果たしてくれた光雪ならきっとまた約束を果たしてくれるだろう。人の心の状態は変わり続ける。
自分が思っているのと相手が思っていることは全く違うことだってある。
目に現れなくても自然とどこかに現れて少なくとも1人、私だったら柚のような友達に気づいて貰える。そんな気がした。
私は柚見たいに人の心の状態に気づける人になりたい。目に何も無くても心の状態に気づける素敵な人間に。
そして夏菜子のように気持ちを人に伝えられる人に、光雪のように約束を果たせる人に。
END
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この物語は自分自身の体験をアレンジして書いたものです。
読んでくれた皆様に考えてみてほしいことがあります。雪音と光雪は何歳だと思って物語を進めたか考えてみてください。