「ツヨシが結婚したらしいぜ」
 
 既に婚約相手とうまくいっているミミタは他人事にも誇らしげに言った。

 「ミミタももうすぐだろう?」

 「あぁ、そうだよ。俺ら美男美女だし子供も安心だな」

 「なんだよ、それ」
 
 「特に意味はないさ。ただ、子供の将来の幸せを願うだけ。俺は守ってやれないんだから」

 「そうだな。それにしても酷だよな」

 「だな。俺だけで何とか出来ればよかったんだけど」

 ミミタの言うように、もし仮に僕に子供ができたとしても成長の過程を見られない。

 それも、一瞬たりとも、だ。


 大好きな妻と僕の間に生まれる子供だ。
 将来の安泰を願い、できれば傍でいつも危険から守ってやりたいと思う。
 そんな相手も予定も何もないけど、それだけは思う。

 ミミタと同じように。