すると女の子は

「どうしたのお兄ちゃん、泣いてるの?悲しいの?大丈夫?」

と顔を覗き込んできた。

「いや大丈夫だよ、ありがとう。」

「ママがお星さまになる前、私と一緒に寝てくれる時、いつも大切な人がいるって言ってた。レンお兄ちゃんって言うんだって。優しくてママをすごく大事にしてくれるんだって。私も会ってみたいな、レンお兄ちゃんに。会えるかな?これは2人の秘密なんだ。パパには内緒だよ。」

言葉を失った。

「・・・絶対会えるよ。」

「そうだよね、会えるよね。ママがいつも言ってた。頑張れば絶対その通りになるって。お兄ちゃんありがとう。」

『俺は何してんだろう。この子の方がずっと強くて頑張ってる。』

「じゃあお姉ちゃんが待ってるからもう行くね。もう危ない事しちゃダメだよ、約束だからね。バイバイ。」

と走って行ってしまった。

「わかったよ、バイバイ。」