歩道から下りて通り過ぎる車に『プップー』と鳴らされた時、すごい力で腕を引っ張られた。

「お兄ちゃん何やってるの、危ないよ!!」

我に返って後ろを見ると、1人の女の子がいた。

「お兄ちゃん、ちょっと来て。」

と腕を引かれながら歩いた。

するとたくさんの花束の前で止まった。

「うちのママはここにいるの。いや違う、お星さまになったの。だからいつもここに会いに来てお話してるの。今日はテストで100点とったから見せに来たんだ。そしたらママ、すごい!頑張ったね!!って言って喜んでくれた。」

俺はこの子が理子の娘だという事にすぐ気付いた。

そして女の子をギューっと抱きしめた。