家には理子との思い出の物がいくつかあった。

夜になると毎晩のようにそれを抱きしめて涙を流した。

『なんで俺をおいて先に行っちゃうんだよ。本当にもう会えねーの？会いたくて会いたくて仕方ねーよ。これは悪い夢見てるんだよな？』

次の週の夕方仕事が終わってから、理子に会いに現場に行っていた。

相変わらず花束はたくさん置いてある。

理子の好きだった白いユリの花束が多い。

ふと『今この道路に飛び出せば理子に会いに行ける。そしてずっと一緒にいれる。』

と思った。

と同時に足は道路に向かって動いていた。