葬儀場に行く前に事故現場に行った。

電信柱の横にたくさんの花束が置かれている。

おれもその横にそっと置いた。

近くで女の人2人がコソコソ話しているのが聞こえた。

「ひいた男の人居眠り運転だったんだって。若いのに可愛そうだよね。」

なんで理子がこんな目にあわなきゃいけないんだよ。

そして葬儀場に向かった。

少し早く来たので、次から次へと人が中に入って行く。

俺はどうしても中に入る事ができなかった。

理子の家族に会うのが嫌だったし、何より認めたくなかったから。

外から手だけを合わせ仕事へと向かった。

それからの俺は何もする気にならなかったし、抜け殻のようだった。

でもなんとか仕事だけは行っていた。

仕事と家を往復するだけ。

その時の記憶はほとんどない。