映画館に着いてチケットと、ポップコーンとジュースを買って中に入った。

大体真ん中くらいの席に、ポップコーンを挟んで座った。

しばらく待っていると、だんだん暗くなり始まった。

途中でポップコーンを取ろうとしたら手が触れた。

俺はその手を離さなかった。

手を繋ぎながら観ていて後半に入った頃、理子はバッグからハンカチを出して目をおさえた。

実は俺も恥ずかしいから、ばれないように手で涙を拭いていた。

こういうのに弱いんだよな。

終わってみんなが席を立って帰ろうとしている時に、理子は目と鼻を真っ赤にしながら鼻をかんでいる。

「どうだった?」

と聞くと

「ずごぐぜづなぐで、胸がギュンどじまぐっで、おもじろがっだ。」

とヒック、ヒックしている。

理解するのに少し時間がかかったけど、かわいすぎて今すぐ抱きしめたかったのを、グッとこらえて我慢した。

『後でおもいっきりギューってしてやるから、待ってろよ。』