図書館の入り口の前。
私はドキドキしながら、彼を待つ。
真新しい制服はまだ着なれなくて変な感じ。
チェックのスカートに、青いチェックのリボン。紺色の靴下。
憧れていたとってもかわいい制服なのに、自分が幼すぎるせいか、あまり似合ってないような気もする。
変って思われたらどうしよう。
それよりまず、どんな顔をしたらいいんだろう。
ひと言目は? 何て言う?
ずっとずっと会いたくて、約束したときからこの日を心待ちにしていたはずなのに。
入学式よりも緊張して、心臓はバクバクいってるし、手も足もガタガタ震えて……どうしようもない。
あーもう、どうしようっ!
ギュッと目をつむった、そのときだった。
「……大丈夫?」
背後から突然かけられた声。
私はビクッとして肩を跳ね上がらせて、聞き覚えのある声に恐る恐る振り返る……と、
「はい」
あたしに向かって微笑むメガネの男の子。
それは他の誰でもなく……前原くんだった。