【本文】
「唐辛子は辛い形をしている」
 畑で栽培している唐辛子を見たことがあるだろうか。
 ナスやピーマン、きゅうりなどは花が咲いたところに実をつける。
 実が大きくなるにしたがって、その重さで垂れ下がってくるものである。
 みかん、リンゴなどの果物も、垂れ下がるものが多い。
 だが、
 唐辛子は垂れ下がらない。
 草のてっぺんや、枝の付け根などに付いた実が、上を向いたままで熟していく。
 あたかも草が燃えているかのように見える。
 真っ赤な実が、緑の葉や茎と対照的で鮮やかに激しく演出される。
 また、実の塊がギザギザとしたシルエットを描き、辛さを想像させる。
 植物がその形体から味を感じさせている。


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【サブタイトル】
太陽が作る陰と影

【本文】
「太陽の日光が植物の葉に当たり、光合成して酸素が作られる」
 学校でこのように習う。
 太陽の光がなければ、酸素が造り出せなくなり生物が生きられなくなるわけだ。