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【サブタイトル】
近未来を表現することは難しくなった
【本文】
未来を考えるとき「Society 5.0」を意識する。
内閣府によると「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムによって開かれる」と解説している。
インターネットを、情報を得るために使うだけではなく、日常生活に深く根差した関わり方をすることである。
さまざまな構想が具体的に示されている。
すでにかなり普及してきている、スマートスピーカーもその一つだった。
他にも自動運転車など近々実現する技術もある。
SF小説を書くときに「近未来」を表現することが難しくなってきていると思う。
技術が加速度的に進歩しているので、人間の想像力が追いつかなくなっているのではないだろうか。
未来を描こうとするとき、中世のような雰囲気を織り交ぜるストーリーが多く見られるようになった。
未来のイメージが描きにくくなった証拠である。
ただ単にメカニカルだったりするだけではリアリティを感じない。
それよりも、人間の肉体のような有機的な形に沿ったデザインとか、有機物を連想させる構造の方が未来的な感じがする。
すでに「Society 5.0」で未来を語ることが難しくなり、人間の幸せとテクノロジーの関係を深く認識してイメージを広げていかなくてはならない。
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【サブタイトル】
「風神仏」に化ければ感染症対策のために人が集まるのではないか
【本文】
風は古くから信仰の対象だった。
風神の図像の元になった、俵屋宗達の風神雷神図は、一説には左遷された菅原道真が復讐しにくるという北野天神縁起絵巻が起源である。
風には風邪や感染症という意味がある。
江戸時代に「風神払」という、乞食の一種とされる人たちが出没した。
お面をかぶり、太鼓を打ち鳴らして踊り、疫病を払うためといって金をせびるのだ。
今のご時世に「風神払」をすれば商売になるかもしれない。
近所の商店街で「チンドン屋」がよく出没する。
この人たちが「風神払」に化ければ、感染症対策のために人が集まるのではないだろうか。
生まれ育った埼玉県北部では、冬に赤城颪という猛烈な風が吹いた。
向かい風では自転車が進まず、追い風ではスピードが出すぎるのでブレーキをかけ続ける、という具合である。
また田畑の土や石を舞いあげるので、散弾銃のように体に石を打ちつけられる。
小学生のときは片道3kmの道のりを歩いて通ったので、赤城颪の厳しさが心に残っている。
------------------------- 第33部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
「DVD」不思議な光る円盤
【本文】
「これ、何に使うんですか」
本に添付されている円盤を指して、高校生が質問した。
受験予備校で英語の教材を配布したときの話である。
たまにDVDつきの本を見かけるときがある。
昭和生まれの人間でも、最近はDVDを煩わしく思う。
映像はYouTubeのQRコード。
テキストデータはダウンロードサイトのORコード。
こちらの方が手軽に活用できる。
DVDをなぜ煩わしいと感じるのだろうか。
まずはその大きさである。
厚さ0.6mm、直径12cmという大きさだ。
これがたくさんたまってくると、専用ファイルに入れて整理する必要が出てくる。
材質はポリカーボネート。
屋外のファサードなどにも使われる、ごく硬いプラスチックである。
読み込み速度は機器にもよるが、インターネット回線でダウンロードするより時間がかかる。
DVDプレイヤーに入れると、ブーンという回転音がして読み込まれるまでしばらく待つ。
このような作業を想像して、煩わしさを感じてしまう。
また光沢がある読み取り面を素手で触ってはいけない。
年月が経つとカビが生えたりする。
プレイヤーの読み取り装置にホコリが付くと読み取れなくなるので、定期的にクリーニングする必要がある。
以上のように、物としてのメディアよりも、インターネット上にデータを保管した方が利便性が高く、経年劣化もないと思う。
------------------------- 第34部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
唐辛子は辛い形をしている
【本文】
「唐辛子は辛い形をしている」
畑で栽培している唐辛子を見たことがあるだろうか。
ナスやピーマン、きゅうりなどは花が咲いたところに実をつける。
実が大きくなるにしたがって、その重さで垂れ下がってくるものである。
みかん、リンゴなどの果物も、垂れ下がるものが多い。
だが、
唐辛子は垂れ下がらない。
草のてっぺんや、枝の付け根などに付いた実が、上を向いたままで熟していく。
あたかも草が燃えているかのように見える。
真っ赤な実が、緑の葉や茎と対照的で鮮やかに激しく演出される。
また、実の塊がギザギザとしたシルエットを描き、辛さを想像させる。
植物がその形体から味を感じさせている。
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【サブタイトル】
太陽が作る陰と影
【本文】
「太陽の日光が植物の葉に当たり、光合成して酸素が作られる」
学校でこのように習う。
太陽の光がなければ、酸素が造り出せなくなり生物が生きられなくなるわけだ。
また、野菜、果物、米、小麦などを育てるためにも不可欠である。
これらを収穫して、食べることで生命が維持されている。
ごく当たり前のことだが、太陽の光を意識すると日常の風景が違う見え方をする。
外に出るを身の周りの物に光が当たっていて、反対側が陰になっている。
カゲにはもう一種類ある。
地面や他の物体に落とす影である。
陰影という言葉があるが、「陰」と「影」は別の意味があるのだ。
「人影が見える」
これは人の姿が見えると言う意味である。
つまり「影」には姿という意味合いが強い。
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【サブタイトル】
英才教育は何歳から始めるものだろうか
【本文】
英才教育とは、どれくらいから始めるものだろうか。
2際だと、まだほとんど集中できない。
頑張ってもせいぜい5分程度である。
3歳から習い事をした、という話をよく聞く。
英語教材では、0歳からというものもある。
英語の歌を聞かせたり、映像を見せたりするのである。
小学校でも英語が必修になったし、幼稚園では数や色など簡単な英単語を教えている。
「英才教育」というと、将来天才が育つような教育を指すのであろう。
この場合には、少々背伸びをして教え込む感じがする。
子供が通っているピアノ教室や空手道場では、2,3歳の子をじっとさせるだけで精いっぱいという感じに見えた。
だが、親が教育熱心な家の子は、4,5歳でもかなりできる子に育てている。
うちは習い事を早くからさせているし、英語にも生まれた時から触れさせているが、伸び伸びと育っていて、英才教育という言葉とはほど遠い。
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【サブタイトル】
コミュニケーションセミナーで思ったこと
【本文】
コミュニケーションセミナーで、こんな子をとしている。
「隣の人とペアを組んでください」
偶然隣に座った人と研修するように仕組む。
もちろん無作為。
このほうがうまくいくのである。
「まずは、1分間自己紹介をしてください。ただし、聞き手は一切相槌を打たないでください」
そして1分。
立場交代で1分。
「次に、また自己紹介をしてください。趣味の話などで話を広げても結構です。今度は相槌を打ってください」
そして1分。
交代して1分。
「はい。終了です」
会場にどよめきが起こる。
「もっと話をしたい」
という気持ちでいっぱいになるし、聞き手はもっと聞きたい、と思うのだ。
「もっと~したい」という気持ちを持っているうちに中断することも大事なポイントである。
相手に続きを想像させる。
仕掛けは至って単純だが、効果的なセミナーだった。
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【サブタイトル】
ニッチ文化と広告
【本文】
マスメディアを利用して広告を打つ場合、新聞、テレビCМ、屋外の看板、電車の中づりなどに予算を割り振って制作していた時代があった。
現在ではWEBの媒体が成熟しつつあるので、従来のマスメディアという考え方は通用しなくなってきている。
むしろ少数の熱狂的なファンが集うニッチ文化がターゲットになる。
商品と企業イメージに合致した媒体を選ばなくてはならないし、広告効果を正確に予測して予算配分をすることが重要である。
クリエイティブディレクターなどがやっていたそのような仕事を、AIがビッグデータを参照して行うようになっている。
人間の勘と経験よりも、コンピュータによる客観的な裏付けがあった方が、クライアントの信頼を得やすい。
そして、クライアントの広告を「見たくない人」に送らないこともイメージアップの効果があるだろう。
自分用にカスタマイズされた広告だけを表示するシステムが一般的になって来たので、大衆向けに「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」というやりかたは少々乱暴かも知れない。
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【サブタイトル】
久しぶりに全速力で100メートルを走る
【本文】
久しぶりに全速力で100mを走る。
これだけで大腿四頭筋の真ん中あたりが痛くなった。
運動不足な人は真似しない方がいい。
アキレス腱を切った人、転んで骨折した人もいた。