「ーーーーーも、俺が見えてるかな」 彼は泣きそうな顔で言った。 空は真っ青だった。 白い雲と、芝の新緑。 いつもより木々の香りを感じた。 互いの涙は風で散って、シャボン玉のように飛んだ。光を反射して、七色の雫となった。 初めまして。 「見えているよ」と返すと、彼はくしゃっと顔を歪めた。 瞳の奥が、喜んでいた。