なんだったんだろう。『なんでいるの』って言ってたよね…。
あんな綺麗な人忘れるはずがないのに、初対面なはずなのに、懐かしいと思っていた。
次会ったら絶対話そうと私は心に決め、自分の病室に戻った。
翌日、お昼からリハビリが始まった。
病院の食事は栄養第一で、お世辞にも美味しいとは言えないから食べた気がしない。昔お母さんに、人から頂いた食事は残してはいけないと言われていたけど、さすがに病院の食事は完食出来なかった。申し訳なかったけど、佐々木さんは笑顔で病院の食事まずいよねって笑いながら片してくれたから、少しだけ気が楽になれた。
リハビリは、昨日のように廊下を歩くことから始める。幸い、脳や身体に後遺症が残らなかったため、3週間くらいで退院出来るそうだ。咲良との記憶は忘れていなかった。咲良も辛かったこと、そして、仲直りが出来たこと。早く、咲良に会いたいな。
そう思うとやる気が出てきた。早く退院して、咲良に笑顔で会いたい。