初雪の便りが聞こえてもおかしくない、12月。南風館高校の2年生は関西地方に向けて、修学旅行に出かけた。1日目は飛行機を乗り継いでの移動。2日目は学級別の文化研修と自主研修。3日目は全体研修と遊園地。4日目に新幹線と飛行機で帰ってくるという行程を予定していた。
ところが、である。1日目、学校集合早々に、出発延期が決まった。飛行機が飛ばないそうだ。最寄り空港から羽田便は日に2往復しかなく、南風館は2便に分けて搭乗する予定だった。後発便は飛ぶようだが、全員は移動できない。「みんなで」というところを第一と考えると「出発延期」という答えにたどり着いたのだった。
「減るのヤダ!」
「自主研修なくすな!」
生徒たちからは相当なご意見が出たようだ。1日目のうちに結論として出されたのが「2日目日程の中止」。つまり、学級別の文化研修と自主研修の中止だ。
文化研修も自主研修も生徒たちが計画を立てた。自分たちが「できると思っていたこと」ができなくなると、それは思うところもあるだろう。修学旅行は高校生活で一番の行事なので、生徒たちの思いも強い。それは先生方も同じである。
先生方も「なんとか一つでも多くの日程を実現したい」と協議を重ねていた。もちろん、生徒たちが考えた、文化研修も自主研修もやらせてあげたい。しかし、現実問題、変更が効くのは2日目のみ。先生方としても苦渋の決断だった。
翌日、修学旅行2日目。南風館高校の2年生は1日遅れで、関西地方へ飛び立つことができた。本当なら文化研修、自主研修をしている時間。山崎をはじめ、2年生はしおりを眺めては、叶わなかった文化研修、自主研修に思いを馳せた。
全員の移動が完了し、ホテルにて先生方の会議がもたれた。「なんとか自主研修ができないか」という議題だ。生徒たちの計画では、京都観光、大阪観光が主の研修だったが、なんとか一つでも実現できないか。考えに考え抜いた結果、全体研修の縮小が提案された。
朝の集合を30分早め、全体研修予定の春日大社見学時間を30分短縮する。遊園地にバスで向かう予定を変更し、大阪駅で1時間の自主研修をしてから、各自電車で向かうようにする。
もっと長く、もっと範囲を広げて研修させてあげたいが、これが限界だった。
生徒たちに伝えると賛否両論あった。「やはり京都を観光したい」「春日大社でゆっくりしたい」「学級別の文化研修をやらせてほしい」。多くの人で動くとき、全員の意見は採用できない。何を選択することで多くの人を満足させられるか。その考えでいくと、これが答えだった。
「先生たちは『少しでも自主研修をさせてあげたい』と考えた。今の状況では大阪駅1時間が限界だ。なんとか、楽しんできてくれ!」
意見言いあう生徒たちへ、団長の校長先生が一喝した。生徒たちの意見はやんだ。
結果として、大阪駅に放されたあと、電車で京都観光に出かける班があったり、先に遊園地へ向かう班があったりと、「いうことをきかない」生徒たちもいた。先生方との約束は「大阪駅解散の後、遊園地に入場し、時間までにホテルに帰ること」だった。遊園地にもホテルにも先生方が待っている。遊園地に入場しなかった班は3班、ホテル集合に遅れたのは5班。例年に比べると倍近いらしい。
今年の修学旅行は、充分に研修できなかったり、いつも以上に叱られたりと、後味悪い思い出となった生徒、先生が多かったようだ。
ところが、である。1日目、学校集合早々に、出発延期が決まった。飛行機が飛ばないそうだ。最寄り空港から羽田便は日に2往復しかなく、南風館は2便に分けて搭乗する予定だった。後発便は飛ぶようだが、全員は移動できない。「みんなで」というところを第一と考えると「出発延期」という答えにたどり着いたのだった。
「減るのヤダ!」
「自主研修なくすな!」
生徒たちからは相当なご意見が出たようだ。1日目のうちに結論として出されたのが「2日目日程の中止」。つまり、学級別の文化研修と自主研修の中止だ。
文化研修も自主研修も生徒たちが計画を立てた。自分たちが「できると思っていたこと」ができなくなると、それは思うところもあるだろう。修学旅行は高校生活で一番の行事なので、生徒たちの思いも強い。それは先生方も同じである。
先生方も「なんとか一つでも多くの日程を実現したい」と協議を重ねていた。もちろん、生徒たちが考えた、文化研修も自主研修もやらせてあげたい。しかし、現実問題、変更が効くのは2日目のみ。先生方としても苦渋の決断だった。
翌日、修学旅行2日目。南風館高校の2年生は1日遅れで、関西地方へ飛び立つことができた。本当なら文化研修、自主研修をしている時間。山崎をはじめ、2年生はしおりを眺めては、叶わなかった文化研修、自主研修に思いを馳せた。
全員の移動が完了し、ホテルにて先生方の会議がもたれた。「なんとか自主研修ができないか」という議題だ。生徒たちの計画では、京都観光、大阪観光が主の研修だったが、なんとか一つでも実現できないか。考えに考え抜いた結果、全体研修の縮小が提案された。
朝の集合を30分早め、全体研修予定の春日大社見学時間を30分短縮する。遊園地にバスで向かう予定を変更し、大阪駅で1時間の自主研修をしてから、各自電車で向かうようにする。
もっと長く、もっと範囲を広げて研修させてあげたいが、これが限界だった。
生徒たちに伝えると賛否両論あった。「やはり京都を観光したい」「春日大社でゆっくりしたい」「学級別の文化研修をやらせてほしい」。多くの人で動くとき、全員の意見は採用できない。何を選択することで多くの人を満足させられるか。その考えでいくと、これが答えだった。
「先生たちは『少しでも自主研修をさせてあげたい』と考えた。今の状況では大阪駅1時間が限界だ。なんとか、楽しんできてくれ!」
意見言いあう生徒たちへ、団長の校長先生が一喝した。生徒たちの意見はやんだ。
結果として、大阪駅に放されたあと、電車で京都観光に出かける班があったり、先に遊園地へ向かう班があったりと、「いうことをきかない」生徒たちもいた。先生方との約束は「大阪駅解散の後、遊園地に入場し、時間までにホテルに帰ること」だった。遊園地にもホテルにも先生方が待っている。遊園地に入場しなかった班は3班、ホテル集合に遅れたのは5班。例年に比べると倍近いらしい。
今年の修学旅行は、充分に研修できなかったり、いつも以上に叱られたりと、後味悪い思い出となった生徒、先生が多かったようだ。