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ようやく見つけた彩叶のコーチを引き受けてくれるかもしれないという人。今から会って話をしたいと電話がかかってきたから急いで行かないと。
なんて思っていたのに、突然全身を黒いマントで覆われた人に絡まれてしまった。
「おい、お前、確か京介だったな。俺が見えるか?」
「誰ですか?」
こっちは一分一秒も無駄にしたくないというのに。まったく勘弁してほしい。
「お前、俺が見えるんだな」
「は?何をいきなり……」
「京介。お前、近いうちに死ぬぞ」
いやいやいや、いきなり見えるかとか言ったと思ったら、今度は死の宣告ですか。
「あ、てか、今はそんなことを言いたいんじゃない。お前に聞きたいことがあるんだ。京介、お前はどうしてそこまでして彩叶を支えようとするんだ」
「あなたは彩叶の知り合いですか?」
「知り合いっちゃあ知り合いだな。あいつのことはよく知っている。教えてくれ。お前は何でそんなに彩叶のことを気にかけるんだ」
「……小さい頃に約束したんです」
どうして知らない人にここまで話さなくてはいけないのだろう。
でも、自分自身の心がポキっと折れてしまわないためにも、口にしておきたいと思った。
ようやく見つけた彩叶のコーチを引き受けてくれるかもしれないという人。今から会って話をしたいと電話がかかってきたから急いで行かないと。
なんて思っていたのに、突然全身を黒いマントで覆われた人に絡まれてしまった。
「おい、お前、確か京介だったな。俺が見えるか?」
「誰ですか?」
こっちは一分一秒も無駄にしたくないというのに。まったく勘弁してほしい。
「お前、俺が見えるんだな」
「は?何をいきなり……」
「京介。お前、近いうちに死ぬぞ」
いやいやいや、いきなり見えるかとか言ったと思ったら、今度は死の宣告ですか。
「あ、てか、今はそんなことを言いたいんじゃない。お前に聞きたいことがあるんだ。京介、お前はどうしてそこまでして彩叶を支えようとするんだ」
「あなたは彩叶の知り合いですか?」
「知り合いっちゃあ知り合いだな。あいつのことはよく知っている。教えてくれ。お前は何でそんなに彩叶のことを気にかけるんだ」
「……小さい頃に約束したんです」
どうして知らない人にここまで話さなくてはいけないのだろう。
でも、自分自身の心がポキっと折れてしまわないためにも、口にしておきたいと思った。