◇
わたしは本当にもう一度やり直したほうがいいのだろうか。
京介はこの前の出来事から前を向こうとしているのに、わたしは過去に戻ってなかったことにしようとしている。
今のわたしは戻ることではなくて、ここから先に進むことではないのか。
「彩叶、準備できたぞ」
家に帰ってベッドに寝転んで天井を見上げていたら、ハイデさんが現れた。
「ハイデさん、やっぱりわたし、巻き戻しできない」
「は?今更何言ってんだ?ビビったのか」
「そうじゃなくて……わたし、やり直すんじゃなくて、今の状態から先に進まないといけない気がするの」
「は?ふざけんな!せっかく準備したのに、お前は全部台無しにするつもりか!」
「……ごめんなさい」
妬まれても良い、なじられても良い。だってハイデさんはわたしを信じて準備をしてくれていたから。それを裏切ってしまったから、当然その報いは受けるつもりだ。
でもハイデさんは、しばらくわたしの目をじーっと見たあと、
「あっそ。もういい。勝手にしろ」
とだけ言い残し、すぐに消えてしまった。
これだけあっさり消えてしまうなんて予想していなかったから、余計に罪悪感が湧いてきた。
でももう言っちゃったからやるしかない。明日京介に会って謝ろう。もう一度わたしとスケートをやって欲しいと伝えようーー
わたしは本当にもう一度やり直したほうがいいのだろうか。
京介はこの前の出来事から前を向こうとしているのに、わたしは過去に戻ってなかったことにしようとしている。
今のわたしは戻ることではなくて、ここから先に進むことではないのか。
「彩叶、準備できたぞ」
家に帰ってベッドに寝転んで天井を見上げていたら、ハイデさんが現れた。
「ハイデさん、やっぱりわたし、巻き戻しできない」
「は?今更何言ってんだ?ビビったのか」
「そうじゃなくて……わたし、やり直すんじゃなくて、今の状態から先に進まないといけない気がするの」
「は?ふざけんな!せっかく準備したのに、お前は全部台無しにするつもりか!」
「……ごめんなさい」
妬まれても良い、なじられても良い。だってハイデさんはわたしを信じて準備をしてくれていたから。それを裏切ってしまったから、当然その報いは受けるつもりだ。
でもハイデさんは、しばらくわたしの目をじーっと見たあと、
「あっそ。もういい。勝手にしろ」
とだけ言い残し、すぐに消えてしまった。
これだけあっさり消えてしまうなんて予想していなかったから、余計に罪悪感が湧いてきた。
でももう言っちゃったからやるしかない。明日京介に会って謝ろう。もう一度わたしとスケートをやって欲しいと伝えようーー