Representing Japan Saika Odamaki

会場のアナウンスがわたしの滑走を知らせる。


「彩叶!平常心!いつも通りやれば大丈夫だ!」

わたしは京介に向かってゆっくりと深く頷く。

京介はにこりと笑ってわたしの両肩をぽんぽんと叩く。

「行って来い……!」

わたしは解き放たれたかのように氷上に飛び出すと、雨のような拍手の音と、心地よい歓声がリンクを覆った。