目の前に傷ついた私の体がある。


 ストレッチャーに乗せられた自分の姿を見てるけど、なんだか他人事みたい。

 一瞬の出来事で。痛みや恐怖もなく気づいたら空に浮かんでた。
 何とも言えない複雑な心境で、自分自身の死を受け入れられない。


 あまりにも突然で、急すぎるよ……


 私の体は救急車に乗せられて、どこかへ運ばれていった。
 でも、私の魂はここにある。


 事故現場のこの場所に、小さな献花代が設置されてる。
 両親や友人、学校の先生など、たくさんの人が訪れて涙を流していた。

 幽霊になってしまった私は、周囲にいる人たちから姿が見えてない。
 何もできないまま、その場に立ち尽くしてる。


 まるで、透明人間になったみたいで孤独だよ……