あと三〇店舗ほど残っていた。六本木、北青山、南青山、東麻布、麻布台、麻布十番、南麻布、元麻布、西麻布、三田、高輪、白金、白金台、あたりは、心当たりの全くない地域だった。土岐は、昼食後、北青山から、西麻布を経由して三田と浜松町へ抜け、港南、海岸を北上するか、六本木から、芝公園と愛宕を経て、芝大門、芝、浜松町を先に回り、三田、麻布、青山へ北上するか、逡巡していた。あと、台場の店があったが、自転車では行けないので、行くつもりもなかった。可能性がありそうなのは浜松町だった。東亜クラブの所在地が浜松町だからだ。そういう意味で関係がある。他の地域は、まったく関係らしい関係のない所だった。
ハンバーガーを食べ終えたとき、青山から南下してゆくルートを選択した。このルートだと浜松町は最後の方になるが、新橋で自転車を返却しなければならないので、リスクが少ないように思えた。
四〇店舗を超えたあたりで、尾てい骨がサドルに擦れて痛くなった。
浜松町で、五〇店舗を超えたが、当たりはなかった。その店は浜松町の駅と東京タワーの中間にあり、東亜クラブのある高層オフィスビルまでは5百メートルほどあった。台場を除いた最後のコンビニは浜松町と新橋の中間にあった。
「もしや」
と期待したが、空振りだった。ゆりかもめに乗って台場まで行く気力も期待感も最早残っていなかった。あたりはすっかり暗くなっていた。ひんやりとした夜気にサイクリングの徒労感が重い疲労となって土岐の体を包み込んだ。
(どこかの店のレジのバーコードスキャナーが誤作動したのか?どこかの店員が面倒くさがって、調べたふりをしたのか?それとも、台場のコンビニなのか?警察の名前を騙ることができれば、電話1本で半日もあれば、こと足りた)
とついて出る言葉は愚痴ばかりだった。台場のコンビニについては、東京湾の向こう側で港区の飛び地のようなところだし、
「まさか、あんなところ」
という思いが強かった。
土岐は憤懣を込めてハンドルを強く握りしめた。自転車のライトを点けた。レンタサイクル店に向かう交差点から、新橋駅方向を見ると、本屋の隣に、運送会社の新橋センターの看板が見えた。その先にゆりかもめの駅があった。土岐は吸い込まれるように、そのセンターに車輪を向けた。
ハンバーガーを食べ終えたとき、青山から南下してゆくルートを選択した。このルートだと浜松町は最後の方になるが、新橋で自転車を返却しなければならないので、リスクが少ないように思えた。
四〇店舗を超えたあたりで、尾てい骨がサドルに擦れて痛くなった。
浜松町で、五〇店舗を超えたが、当たりはなかった。その店は浜松町の駅と東京タワーの中間にあり、東亜クラブのある高層オフィスビルまでは5百メートルほどあった。台場を除いた最後のコンビニは浜松町と新橋の中間にあった。
「もしや」
と期待したが、空振りだった。ゆりかもめに乗って台場まで行く気力も期待感も最早残っていなかった。あたりはすっかり暗くなっていた。ひんやりとした夜気にサイクリングの徒労感が重い疲労となって土岐の体を包み込んだ。
(どこかの店のレジのバーコードスキャナーが誤作動したのか?どこかの店員が面倒くさがって、調べたふりをしたのか?それとも、台場のコンビニなのか?警察の名前を騙ることができれば、電話1本で半日もあれば、こと足りた)
とついて出る言葉は愚痴ばかりだった。台場のコンビニについては、東京湾の向こう側で港区の飛び地のようなところだし、
「まさか、あんなところ」
という思いが強かった。
土岐は憤懣を込めてハンドルを強く握りしめた。自転車のライトを点けた。レンタサイクル店に向かう交差点から、新橋駅方向を見ると、本屋の隣に、運送会社の新橋センターの看板が見えた。その先にゆりかもめの駅があった。土岐は吸い込まれるように、そのセンターに車輪を向けた。


