フィジビリティスタディ

 たとえば、発送電・電信電話関係は国内公共事業としてお金をばらまくのはうまくないのですが、発展途上国であればインフラ整備という理由で膏薬を張り付けることができます。まあ、発送電は半分官業のようなものですし、電信電話もつい最近まで官業でしたから、お金をばらまく必要もなかったのですが、国内公共事業と縁のない産業・企業に対しては税金を使うに当たり、経済官僚にもなんとなく後ろめたいものがあります。高度経済成長期は税収も増え、国内公共事業に限らず、ODAのそうした不効率な資金の使われ方も容認されてきましたが、昨今の膨大な国債発行残高を背景として最早見過ごされなくなったというのが背景にあります。しかし、現在でもODAは交換公文等を介して、外交的に高度に政治的な判断で行われているのが実情で、その実態を調査することは内政干渉につながることもあり、同時に行政当局からも政治的な圧力がかかるのが一般的です。国内法規と対象国の法規、日本の政治家と相手国の政治家などが絡み合って、赤字財政だからと言って単純に削減できないのが実情です。ODAに求められる視点は、あくまでも経済合理性と税金の節約ということで、建前として国際政治的な視点は、それが本音であるという形では明示しません。かりに政治的に問題があったとしても、経済合理性にかなうものであれば問題とはしないというのがODAのスタンスです。今後とも東亜クラブの会員企業におかれましては、被援助国の経済厚生の向上につながるような案件がありましたら、当該国の大使館を通じて情報をいただければ幸いです。プロジェクトは一応国際入札という形式をとりますので、案件の仕様はできれば日本仕様でいただければ、日本国内で納付して頂いた法人税は合法的に迂回させることが可能になるものと思います。今夜は、ご清聴有難うございました。(文責・金井)〉
 
 講演録を読みながら、土岐の背中に凍りつくような電流が流れた。パソコンの保存メールから、以前、
〈Kakusifile〉
から受信した文章を開いた。